日本医師会は、医療機関における組織的な安全管理体制の推進確立を目的として、安全管理に対する知識と技術を身に着けた人材を育成・養成する「日本医師会医療安全推進者養成講座」を開設していますが、現在、平成26年度講座の受講者を募集しています。
医学の発展と医療水準の向上は、国民に多大な恩恵をもたらしましたが、日進月歩の医学医療に対応するため、医療関係職種には常に新たな知識の習得が求められています。医療の高度化は診断治療の範囲を拡大させており、また、高度情報化社会の進展によって国民のニーズはますます多様化しています。
このため、各医療機関の従事者の業務は煩雑化を極め、またその内容は多岐にわたる傾向を強めています。
このような状況の中、医療機関としていかに患者の安全を確保していくかが喫緊の課題となっています。
患者の安全を確保するためには、まず個々の医療関係者の真摯な努力が必要であることは言うまでもありません。しかし、個別的対応には限界があり、医療機関や医師会が組織的に対応することが重要となっています。
そして、医療機関において合理的かつ適切な安全管理を実施するためには、安全管理に対する知識と技術を身に着けた人材の確保が必要となっています。
このため、日本医師会医療安全推進養成講座は、医療事故や医療紛争の背後にある本質的な問題に適切に対処できる人材を育成・養成することによって、医療関係機関の組織的な安全管理体制の推進を図ることを目的として、平成13年に開設されました。
開設から5年間は、紙媒体による通信教育という形で行ってきましたが、受講者の要望や時代のニーズに沿ったものにしたいと考え、平成18年度からe-learning方式に変更しました。平成26年度も引き続きこの方式で継続します。
受講対象者は、現に医療機関、福祉関連施設の職員及び都道府県医師会、郡市医師会の苦情・相談受付窓口業務担当者等であって、医療の安全管理に対する強い意欲と関心を有する方で、募集人員は1,000名。受講料は年間30,000円(税込)。受講開始は平成26年4月15日、受講終了は平成27年3月31日です。
なお、平成25年度講座の受講者は合計417名で、職種別内訳は、医師・歯科医師93名(22.3%)、看護職員130名(31.2%)、病院・診療所事務員53名(12.7%)、医師会苦情・相談受付窓口業務担当者10名(2.4%)、その他131名(31.4%)です。
http://www.med.or.jp/
月別アーカイブ: 2014年2月
3月に子ども予防接種週間実施 日本医師会・小児科医会・厚生労働省
3月1日から7日までの7日間は「平成25年度子ども予防接種週間」として、予防接種に関する取り組みが、協力医療機関や各地域の予防接種センターにおいて実施されます。
この時期は、4月からの入園・入学に備え、保護者の予防接種への関心を高めるとともに、接種漏れを見直すのに最適な時期と考えられるため、子ども予防接種週間中、協力医療機関や各地域の予防接種センターにおいて、通常の診療時間に予防接種が受けにくい方々に対して、土曜日、日曜日、平日の夜間などの地域の実情に配慮した予防接種を行うとともに、種々の予防接種の相談に応じ、接種機会の拡大及び予防接種率の向上を図ります。
主催は日本医師会、日本小児科医会、厚生労働省で、ワクチンで防ぐことのできる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)から子どもたちを救うため、種々の予防接種に関し、地域の実情に合った広報・啓発の取り組みについて各都道府県医師会等で企画・実施します。
企画例
・予防接種について、保護者からの相談
・通常の診療時間に予防接種を受けにくい人たちが、土曜日・日曜日や夜間等に予防接種を受けられる体制の構築
・マスメディアを通じた広報活動
・予防接種についての接種医療機関や一般市民向け講習会の開催 など
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/topics/tp130117-1.html
3月19日 看護師国家試験の追加試験実施
厚生労働省は、3月24日、第103回看護師国家試験の追加試験の実施を発表しました。
第103回看護師国家試験は、2月16日に実施されましたが、3月19日、宮城県、東京都及び愛知県で追加試験を実施します。試験会場は、宮城県が仙台卸商センター産業大学産業見本市会館サンフェスタ(仙台市若林区卸町)、東京都が大正大学巣鴨キャンパス(豊島区西巣鴨)、愛知県が中産連ビル新館8階会議室(名古屋市東区白壁)です。
受験資格は、第103回看護師国家試験受験票の受験地欄に宮城県、東京都又は愛知県と記載されている受験票の交付を受けた者のうち、交通機関の遅延・運休等のため定刻から2時間繰り下げた試験開始時刻までに試験会場に入場できなかった者。受験料は徴収しない。
試験科目は第103回看護師国家試験と同様で、合格者は3月29日午後2時に厚生労働省ホームページに発表する。なお、2月16日の試験合格者は3月25日午後2時に厚生労働省、地方厚生局及び地方厚生支局にその受験地、受験番号を掲示して発表します。
受験票については、2月16日実施の受験票を使用するため、改めて発行しません。当日は、直接試験会場に来場し、監督院に受験票を提示の上、自身の受験番号の札が置かれた席に着席します。
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/tsuika.html
厚生労働省が25年末の医療施設動態を発表
厚生労働省は、2月21日、「医療施設動態調査(平成25年12月末概数)」を発表しました。
病院の施設数は、前月に比べ5施設の減少、病床数は241床の増加。一般診療所の施設数は38施設の減少、842床の減少。歯科診療所の施設数は32施設の減少、病床数は4床の減少です。
データは、「種類別にみた施設数及び病床数」「開設者別にみた施設数及び病床数」「都道府県別にみた施設数及び病床数」が発表されています。
<種類別にみた施設数及び病床数>
施設数
総数 177,944(△75)
病院 8,535(△5)
- 精神科病院 1,068(+1)
- 一般病院 7,467(△6)
地域医療支援病院(再掲) 446(+2)
一般診療所 100,686(△38)
有床 8,973(△86)
- 療養病床を有する一般診療所(再掲) 1,210(△9)
- 歯科診療所 68,723(△32)
総数 1,692,556(△605)
病院 1,573,842(+241)
- 精神病床 339,781(+23)
- 感染症病床 1,815(増減なし)
- 結核病床 6,542(△53)
- 療養病床 328,006(△302)
一般診療所 118,624(△842)
療養病床(再掲) 12,249(△91)
- 歯科診療所 90(△4)
<開設者別にみた施設数及び病床数>
病院をみると、
独立行政法人国立病院機構が143施設55,289床、国立大学法人が48施設32,628床、独立行政法人労働者健康福祉機構が34施設13,072床、都道府県が212施設56,836床、市町村が687施設143,355床、厚生連が107施設34,331床、医療法人が5,721施設855,514床、私立学校法人が109施設55,161床など。
<都道府県別にみた施設数及び病床数>
施設数をみると、
東京が病院648施設、一般診療所12,804施設、北海道が病院575施設、一般診療所3,381施設、大阪が病院534施設、一般診療所8,297施設、福岡が病院463施設、一般診療所4,574施設、兵庫が病院351施設、一般診療所5,011施設、埼玉が病院343施設、一般診療所4,155施設、神奈川が病院342施設、一般診療所6,554施設、愛知が病院324施設、一般診療所5,182施設、千葉が病院279施設、一般診療所3,728施設、鹿児島が病院259施設、一般診療所1,415施設、広島が病院248施設、一般診療所2,603施設、熊本が病院214施設、一般診療所1,489施設など。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m13/dl/is1312_01.pdf
26年度診療報酬改定答申 中医協総会
中央社会保険医療協議会は、2月12日、第272回総会を開催し、26年度診療報酬改定に関して改正案を答申しました。
個別改定項目については、重点課題は、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」で、「入院医療」「外来医療の機能分化・連携の推進」「在宅医療を担う医療機関の確保と質の高い在宅医療の推進」「医療機関相互の連携や医療・介護の連携の評価」を挙げています。
「入院医療」については、①高度急性期と一般急性期を担う病床の機能の明確化とそれらの機能に合わせた評価、②長期療養患者の受け皿の確保、急性期病床と長期療養を担う病床の機能分化、③急性期後・回復期(亜急性期入院医療管理料等)の病床の充実と機能に応じた評価、④地域の実情に配慮した評価、⑤有床診療所における入院医療の評価、を示しています。
また、「充実が求められる分野を適切に評価していく視点」として、①緩和ケアを含むがん医療の推進、②精神疾患に対する医療の推進、③認知症への対策の推進、④救急医療、小児医療、周産期医療の推進、⑤リハビリテーションの推進、⑥歯科医療の推進、⑦的確な投薬管理・指導の推進、⑧手術等の医療技術の適切な評価、⑨医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションの適切な評価、⑩DPCに基づく急性期医療の適切な評価。
「患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点」として、①患者に対する相談指導、医療安全対策、明細書無料発行、患者データ提出等の推進、②診療報酬点数表の平易化・簡素化、③入院中のADL(日常生活動作)低下の予防と褥瘡対策。
「医療従事者の負担を軽減する視点」として、①救急外来の機能分化を含む医療従事者の負担を軽減する取組の評価、②チーム医療の推進。
「効率化余地がある分野を適正化する視点」として、①後発医薬品の使用促進策、②長期収載品の薬価の特例的な引下げ、③平均在院日数の減少等、④医薬品、医療機器、検査等の適正な評価、⑤大規模薬局の調剤報酬の適正化等。
このほか、「消費税率8%への引上げに伴う対応」も示しています。
また答申書の附帯意見も15項目にわたって纏められています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html