日医総研の日本の医療に関する意識調査発表 日本医師会

日本医師会は、1月28日の定例記者会見で、日医総研報告書「第5回医療に関する意識調査」について発表しました。

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は、医療に関する国民の意識やニーズを継続的に把握すると同時に、昨今の医療に関する要望を新たに調査し、今後の医療政策に向けた基礎データを作成することを目的として調査を実施しています。

第5回日本の医療に関する意識調査は、2014年8月に、20歳以上の国民を対象として、個別面接聴取法(有効回収数1,122)、WEBモニター調査(有効回収数5,667)を実施しました。

<結果サマリー>

超高齢社会を迎え、安心して医療が受けられ、健康で長寿を全うできる地域社会が求められている。本調査は、医療の受け手である国民の意識やニーズを把握して、基礎資料を作る目的で実施した。

【結果概要】

1. 受けた医療の満足度は高く、医療全般に対する満足度(69.5%)も上昇傾向がみられた。患者を募集した個別性のある医療を受けていると答えた人も増加しており、医師患者関係の一定の向上が見られた。

2. 国民が考える最重点課題は、長期入院できる施設の整備(56.4%)で、前回より増加した。また、町村では都市部より医療に関する不安が強く、地域格差が見られた。

3. 「医師の説明」は受けた医療の満足度に最も大きく影響していた。高齢者も自身の治療方針への積極的な関与を望んでいた。

4. 医療費の負担感を感じつつも医療水準の維持を求める国民が半数以上を占めた。

5. 受診の際、かかりつけ医など決まった医師の受診を最初に望む人は69.9%で7割を占めた。かかりつけ医を持つ国民は全体の53.7%であった。

6. かかりつけ医に対して多くの国民が、専門医への紹介、幅広い診療、健康管理を望み、高齢者は在宅医療や看取りへの要望も高かった。また、かかりつけ医を探すために、診療に関わる情報が求められていた。

7. 介護の場として自宅を望む人は47%であったが、そのうちの4割は家族よりも主として外部の介護サービスを望んでいた。

 

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国民医療推進協議会が総決起大会 決議を採択

国民医療推進協議会主催の「国民医療を守るための総決起大会」は、1月15日に、東京・憲政記念館講堂で開催され、約750名が参加、国民皆保険を基盤とした持続可能な社会保障体制の確立を求める決議を満場一致で採択しました。

国民医療推進協議会は、平成16年10月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健及び福祉行政の拡充をめざし、積極的に諸活動を推進すること」を目的に、日本医師会が各医療関係団体等に呼びかけて発足、現在40団体で構成されています。これまでの活動としては、混合診療の導入反対、患者負担増反対など国民皆保険制度を守るための活動や、禁煙推進運動などを行ってきました。

15日の総決起大会では、日本医師会の趣旨説明に続いて、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会による決意表明が行われ、決議が採択されました。

<決議>

豊かで安心な生活を営むことのできる地域社会の形成に向けて、国民皆保険を基盤とした持続可能な社会保障制度の確立は、すべての国民の願いである。

そのため、消費税率10%引上げ時に想定された増収分に代わるその他の充分な財源をもって、社会保障の充実を推進していく必要がある。

よって、本大会参加者全員の総意として、次のとおり要望する。

一、現場の意見に即した国民に必要かつ充分な医療・介護を提供するための適切な財源の確保

一、国民と医療機関等に不合理かつ不透明な負担を生じさせている医療に係る消費税問題の抜本的な解決

 

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26年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査実施承認 中医協総会

中央社会保険医療協議会の第289回総会は、1月14日に開催され、平成26年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成27年度調査)の実施を承認しました。

調査は、平成26年度診療報酬改定の基本方針及び答申に当たっての中医協附帯意見を踏まえた調査項目について特別調査を実施し、検証部会における平成26年度診療報酬改定の結果検証のための資料を得ることを目的として実施するもので、6月より調査を実施し、秋以降に調査結果を中医協総会に報告する予定です。

調査項目は、

(1)主治医機能の評価の新設や紹介率・逆紹介率の低い大病院における処方料等の適正化による影響を含む外来医療の機能分化・連携の実施状況調査

(2)在宅療養後方支援病院の新設や機能強化型在宅療養支援診療所等の評価の見直しによる影響、在宅における薬剤や衛生材料等の供給体制の推進等を含む在宅医療の実施状況調査

(3)訪問歯科診療の評価及び実態等に関する調査

(4)廃用症候群に対するリハビリテーションの適正化、リハビリテーションの推進等による影響や維持期リハビリテーションの介護保険への移行の状況を含むリハビリテーションの実施状況調査

(5)胃瘻の造説等の実施状況調査、(6)明細書の無料発行の実施状況調査、(7)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査

です。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000070869.html

26年10月末現在の医療室動態調査概数を発表 厚生労働省

厚生労働省は、1月8日、医療施設動態調査(平成26年10月末概数)を発表しました。

病院の施設数は、前月に比べて4施設の減少、病床数は1180床の減少、一般診療所の施設数は77施設の増加、病床数は759床の減少、歯科診療所の施設数は18施設の増加、病床数は3床の減少です。

1. 種類別にみた施設数及び病床数

施設数は総数178,316施設で前月比91施設増。内訳は病院が8,495施設で4施設減、内容は精神科病院が1,067施設で増減なし、一般病院が7,428施設で4施設減、療養病床を有する病院(再掲)が3,859施設で5施設増、地域医療支援病院(再掲)が482施設で1施設増。一般診療所は100,950施設で77施設増、内容は有床8,447施設で85施設減(療養病床を有する一般診療所:再掲は1,119施設で5施設減)、無床が92,503施設で162施設増、歯科診療所が68,871施設で18施設増。

病床数は総数1,683,274床で前月比1,942床減、内訳は病院が1,570,017床で1,180床減、内容は精神病床が338,231床で464床減、感染症病床が1,768床で4床増、結核病床が6,237床で30床減、療養病床が329,302床225床増、一般病床が894,479床で915床減、一般診療所は113,160床で759床減(療養病床:再掲は11,431床で8床減)、歯科診療所が97床で3床減。

2. 開設者別にみた施設数及び病床数

病院は、総数で8,495施設1,570,017床。主な内訳は、国関係で厚生労働省が14施設5,583床、独立行政法人国立病院機構が143施設55,174床、国立大学法人が48施設32,798床、独立行政法人労働者健康福祉機構が34施設13,072床、国立高度専門医療研究センターが8施設4,357床、独立行政法人地域医療機能推進機構が57施設16,292床、その他が25施設3,805床。都道府県は204施設55,378床、市町村は650施設137,549床、地方独立行政法人は91施設34,627床、日赤は92施設36,781床、済生会は78施設21,810床、厚生連は107施設33,905床、公益法人は273施設66,579床、医療法人は5,718施設857,592床、私立学校法人は110施設55,667床、社会福祉法人は201施設34,502床、個人は291施設29,113床。

一般診療所は、総数で100,950施設113,160床。主な内訳は、国関係で国立大学法人が137施設19床、その他が360施設2,250床。都道府県が256施設188床、市町村が2,985施設2,410床、日赤が213施設19床、健康保険組合及びその連合会が332施設3床、公益法人が659施設331床、医療法人が39,542施設80,243床、社会福祉法人が8,822施設319床、会社が2,005施設25床、その他の法人が661施設319床、個人が44,125施設26,601床。

 

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m14/is1410.html

27年度税制改正の概要を発表 厚生労働省

厚生労働省は、1月8日、平成27年度税制改正の概要(厚生労働省関係の主な事項)を発表しました。

<子ども・子育て>

○ 子ども・子育て支援新制度の施行に伴い必要な税制上の所要の措置(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、事業所税等)

○ 個人寄附に係る税額控除の要件の見直し(所得税)

<雇用・就労の促進>

○  仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組む企業に対する税制上の優遇措置の延長及び拡充(所得税、法人税)

○  地方における企業拠点の強化を促進する税制措置等の創設(所得税、法人税、法人住民税)

<健康・医療関係>

○  国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、旧3級品の製造たばこにかかる税率の見直し(たばこ税、たばこ特別税、地方たばこ税)

○  試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充(所得税、法人税、法人住民税)

○  社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続(事業税)

○  医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続(事業税)

○  医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税、地方消費税)

○  セルフメディケーション推進のため一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(所得税、個人住民税)

○  セルフメディケーションの推進に資する薬局に係る税制措置の創設(不動産取得税)

<介護・社会福祉関係>

○  介護保険法改正に伴うサービスの見直しに係る税制上の所要の措置(消費税、固定資産税、不動産取得税等)

<年金関係等>

○  企業年金制度等の見直しに伴い税制上の所要の措置

<生活衛生関係>

○  生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限の延長

 

なお、医療・健康関係の主な項目の検討事項は次の通りです。

○  医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続(事業税)

事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する。

○  医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税、地方消費税)

医療に係る消費税等の税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられることが予定される中、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を「見える化」することなどにより実態の正確な把握を行う。税制上の措置については、こうした取組みを行いつつ、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見も踏まえ、総合的に検討し、結論を得る。

○  セルフメディケーション推進のため一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(所得税、個人住民税)

医療費控除については、医療費の増大や医療・医薬品を取り巻く環境変化、当該控除に係る執行面の実情等を踏まえ、公正な課税を確保するとともに、セルフメディケーション(自己治療)の推進により医療費を削減する観点から、医療保険制度における実効性ある枠組みの構築とあわせ、そのあり方を総合的に検討する。

○  セルフメディケーションの推進に資する薬局に係る税制措置の創設(不動産取得税)

今後のセルフメディケーションの推進に資する薬局の役割や機能に関する制度設計を踏まえ、不動産取得税の特例措置等について検討する。

 

http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/zeisei/index.html