12施設をがん診療連携拠点病院等に指定 厚生労働省

厚生労働省は、7月24日、第9回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会を開催し、12施設の医療機関について、地域がん診療連携拠点病院、特定領域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院として指定を行うことが妥当とされました。

12施設は次の通り。

岩手県:岩手県立釜石病院(地域がん診療連携拠点病院)

福島県:いわき市立総合磐城共立病院(地域がん診療連携拠点病院)

栃木県:那須赤十字病院(地域がん診療連携拠点病院)

芳賀赤十字病院(地域がん診療病院)

埼玉県:自治医科大学附属さいたま医療センター(地域がん診療連携拠点病院)

東京都:東京医科歯科大学医学部附属病院(地域がん診療連携拠点病院)

独立行政法人国立病院機構災害医療センター(地域がん診療連携拠点病院)

神奈川県:恩賜財団済生会横浜市東部病院(地域がん診療連携拠点病院)

公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター(地域がん診療連携拠点病院)

大阪府:大阪府立急性期・総合医療センター(地域がん診療連携拠点病院)

市立堺病院(地域がん診療連携拠点病院)

鹿児島県:社会医療法人博愛会相良病院(特定領域がん診療連携拠点病院)

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000052235.html

医療機関における携帯電話等の使用に関する指針案で意見 日本医師会

日本医師会は、7月23日の定例記者会見で、「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針(案)」及び「医療機関における携帯電話等の使用に関する報告書(案)」に関する電波環境協議会の意見募集に対しての意見を発表、ホームページでも公表しました。

・医療機関において医療安全の確保は使命である。当然、現場で使用されている医用電気機器についても安全な使用を求められる。しかし現実には各医用電気機器メーカーと医療従事者の情報格差は非常に大きく、この関係は一般的な意味での消費者と生産者の関係と同等であると考えられる。

したがって、各医用電気機器メーカーには、患者、医療機関等に対する最大限の配慮が求められることは当然であり、リスク情報の提供や適切な注意喚起、医用電気機器の電磁的体制の向上等の正当なニーズに応える責務がある。

・本会は本指針の内容は最大限遵守されるべきものと考えるが、現実的にEMC管理者の設置、検討体制の構築が可能な医療機関等はごく一部であると考えられる。

万が一、本指針への対応が難しい多くの医療機関等において携帯電話等の使用に関して重大な事故が発生した場合、本指針の存在を理由に過度の負担が生じないよう、周知・運用の際には十分に注意をすべきである。

・今後、本指針をもとに厚生労働省から医療機関等に対して通知等が出される際には、十分に厚生労働省と連携し、「医療機関における携帯電話等の使用に関する作業部会」に参加した医療関係団体をはじめ、広く医療界から意見を聞いた上で混乱が生じないよう努力すべきである。

・携帯電話、無線通信機器の世界は日進月歩で状況が変わっていくことが予想される。本指針や報告書の内容も、急速に陳腐化してしまうことは十分に考えられる。

そうした時に柔軟にアップデートしていけるような内容、検討体制の構築が求められる。

 

http://www.med.or.jp/

 

新たな健診の基本検査の基準範囲に対する見解の補足を発表 日本医師会と日本医学会

日本医師会は、7月23日の定例記者会見で、日本人間ドック学会および健康保険組合連合会が公表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」に対する日本医師会・日本医学会の見解の補足を発表しました。

内容は次の通りです。

本年4月、日本人間ドック学会(人間ドック学会)および健康保険組合連合会(健保連)が公表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」に関しては、新聞、テレビをはじめ多くのメディアがとり上げた。残念ながら医療現場に混乱が生じたことに対して、日本医師会・日本医学会としての見解を本年5月21日に示した。その後も、本件に関して、広く正しい理解が得られたとは考えられず、改めて、ここに補足の見解を示す。

通常、検査の「基準値」と言われているものには「基準範囲」と「臨床判断値」があるが、この両者は意味するところが全く違っており、明確に区別すべきものである。

今回、人間ドック学会・健保連が公表したのは「基準範囲」であり、これは、多くの健常人から得られた検査値を多数集めて、その分布の中央95%を含む数値範囲を統計学的に算出したものである。従って、基準範囲は、検査結果を評価する際の物差しとなる数値と考えてよいが、疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標などの目的に使用することは難しい。

一方、各種専門学会等により提唱されている診断基準の中で用いられている検査の基準値は「臨床判断値」である。例えば、日本動脈硬化学会の脂質異常症の診断基準に記載されているものなどがその代表であり、これは、疫学的調査研究に基づいて将来の虚血性心疾患の発症が予測され、予防医学的な対応が要求される検査の閾値、つまり、予防医学的閾値という代表的な臨床判断値である。

以上のように、基準範囲と臨床判断値は全く異なる概念から生まれた数値であり、基準範囲(の上限値・下限値)と臨床判断値は異なるのが当然である。そして、疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標に用いられるべきは臨床判断値である。

各メディアに対しては、このことを十分に理解したうえで適切な報道をお願いするとともに、人間ドック学会・健保連に対しても、この理解を世間に周知していただく努力をお願いしたい。

 

http://www.med.or.jp/

健康・医療戦略を閣議決定 健康寿命を1年以上延伸 メタボ人口を08年度比25%減

政府の健康・医療戦略推進本部は、7月22日に第2回本部会議を開催し、「健康・医療戦略」、「医療分野研究開発推進計画」、「平成27年度医療分野の研究開発関連予算等の資源配分方針」及び「日本医療研究開発機構の業務運営の基本方針」について議論し取りまとめました。今後、10年間程度を視野に入れた平成26年度からの5年間を対象としています。

「健康・医療戦略」の概要は、○世界に先駆けて超高齢社会を迎える我が国にあって、課題解決先進国として、健康長寿社会の形成に向け、世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康寿命をさらに伸ばすことが重要、○健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動の創出やこれらの産業の海外における展開を促進することにより、海外における医療の質の向上にも寄与しつつ、これらの産業を戦略産業として育成し、我が国経済の成長に寄与できる、世界でも類を見ない安心と安全を前提とした医療福祉先進国として世界に拡げていくことが重要である、としています。

◇総論

1)健康・医療戦略の位置付け、2)健康・医療戦略の基本理念、3)健康・医療戦略の対象期間を挙げ、

◇各論

(1)世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等に関する施策として、「基礎的な研究開発から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発を推進し、その成果の円滑な実用化により、世界最高水準の医療の提供に寄与。これにより医薬品、医療機器等及び医療技術関連分野における産業競争力の向上を目指すとともに、医療の国際連携や国際貢献を推進。また、健康・医療戦略推進法第18条に基づき、本戦略に即して、施策の基本的な方針や政府が集中的かつ計画的に講ずべき施策等を定めた医療分野研究開発推進計画を作成し、これに基づき医療分野の研究開発を推進。」とし、

(2)健康・医療に関する新産業創出及び国際展開の促進等に関する施策として、「我が国の医薬品、医療機器等及び医療技術並びに医療サービスの発展には、国内外の具体的な需要に応える市場が必要。国内においては、世界最先端の質の高い医療の実現に加え、疾病予防、慢性期の生活支援等を念頭に置いた公的保険外の新しいヘルスケアサービスの市場を創出。また、新しい医薬品、医療機器等及び医療技術並びに医療サービスや新しいヘルスケアサービスの海外展開を図ることで、国際的医療協力を図りつつ、国外の市場も開拓。」

(3)健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関する教育の振興・人材の確保等に関する施策」として、「健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出の推進に必要な臨床研究コーディネーター等の臨床研究及び治験の効率的な推進に必要な人材等や、医療分野のニーズをビジネスとマッチングできるイノベーション人材等の専門的人材の確保、育成の推進。医療分野の研究開発の重要性に対する国民の関心と理解を深めるような教育や学習の振興、広報活動の充実等。」

(4)世界最先端の医療の実現のための医療・介護・健康に関するデジタル化・ICT化に関する施策として、「効率的で質の高い医療サービスの実現を図るとともに、日本の医療そのものが新しい医薬品、医療機器等及び医療技術並びに医療サービスを生み出す世界最先端の知的基盤となるために、①医療等の現場の高度なデジタル化の推進、②医療等の現場から収集された多様なデータが標準化等を通じ関係者間で共有できる全体的なデジタル基盤の構築、③当該デジタル基盤を医療行政の効率化、医療サービス等の高度化及び研究の促進などに利活用、④マイナンバーなどの番号制度基盤や医療情報の活用に係るルールや仕組みを作成。」

◇施策の推進

(1)健康・医療戦略(健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出)の推進体制、(2)関係者の役割及び相互の連携・協力、(3)健康・医療戦略に基づく施策の推進

「達成すべき成果目標」

1)世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等に関する施策で、医薬品創出、医療機器開発、革新的な医療技術創出拠点、再生医療、オーダーメイド・ゲノム医療、疾患に対応した研究「がん」「精神・神経疾患」「新興・再興感染症」「難病」、2)健康・医療に関する新産業創出及び海外展開の促進等に関する施策、3)健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関する教育の振興・人材の確保等に関する施策、4)世界最先端の医療の実現のための医療・介護・健康に関するデジタル化・ICT化に関する施策

 

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/gijisidai.html

「心に残る医療」体験記募集 日本医師会

日本医師会は、7月18日、第33回「心に残る医療」体験記の募集を発表しました。

「心に残る医療」体験記コンクールは、「忘れられないお医者さん、優しかった看護師さん、助け合った家族、介護で出会った人々-つらい中でも、人との触れ合いが支えになった時もあったはず。あなただけの思い出、ちょっといい話をお聞かせください」ということで、日本医師会と読売新聞社が主催し、病気になった時の思い出、介護にまつわる経験、お医者さんや看護師さんとの交流など、医療・介護に関する体験記を募集するもので、「一般の部」「中高生の部」「小学生の部」の3部門です。

「一般の部」と「中高生の部」は400字詰め原稿用紙5枚(2000字)以内、「小学生の部」は同3枚(1200字)以内で、「一般の部」では厚生労働大臣賞1名、日本医師会賞1名、読売新聞社賞1名(それぞれに賞状、表彰楯及び賞金50万円)ほか、「中高生の部」は最優秀賞1名(賞状、表彰楯及び図書カード5万円分)、優秀賞若干名(賞状、表彰楯及び図書カード2万円分)、「小学生の部」は最優秀賞1名(賞状、表彰楯及び図書カード3万円分)、優秀賞若干名(賞状、表彰楯及び図書カード1万円分)を贈呈します。各省入賞作品は読売新聞他で掲載します。

募集期間は10月15日まで、締め切りは送付の場合で10月15日必着、インターネット申し込みは10月15日24時まで。応募先は〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞 事業開発部「医療体験記」係(03-3216-8606)(問い合わせは平日の午前10時~午後5時)またはHP(http://event.yomiuri.co.jo/iryo-taikenki/) へ。

 

http://www.med.or.jp/