第10回国民医療推進協議会は、5月14日に開催され、規制改革会議が提言する「選択療養制度(仮称)」に断固反対することを決議しました。
国民医療推進協議会は、平成16年10月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健及び福祉行政の拡充をめざし、積極的に諸活動を推進すること」を目的に、日本医師会が各医療関係団体等に呼びかけて発足、現在40団体で構成されています。これまでの活動としては、混合診療の導入反対、患者負担増反対など国民皆保険制度を守るための活動や、禁煙推進運動などを行ってきました。
現在、規制改革会議が、「選択療養制度(仮称)」の創設を主張していますが、日本医師会は、様々な課題については、現行の保険外併用療養費制度(評価療養、選択療養)、特に評価療養の機動性を高めることで対応すべきと考えており、「選択療養」の導入は到底容認できない、としており、今回、次の通りまとめています。
●保険外併用療養費制度は、「必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保する」という国民皆保険の理念を基本に据えて導入されたものであり、この理念は引き続き遵守されなければならない。
●規制改革会議で「選択療養」が提言されているが、現行の保険外併用療養費制度の機動性を高めること(承認手続きを迅速化すること等)で十分に対応できると考えている。
●新たな医療が保険収載されなければ、資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなる。
●国は背景にあるドラッグ・ラグ、特に開発(申請)ラグの解消に全力で取り組むべきである。
<決議>
誰もが必要かつ充分な医療を安全に受けられることこそ、すべての国民の願いである。
新しい医療の提供にあたっては、安全性・有効性を客観的に判断することが必要不可欠であり、さらに、受ける医療に格差が生じないよう、将来の保険収載が大前提である。
よって、本協議会の総意として、規制改革会議が提唱する「選択療養制度(仮称)」の導入については、断固反対する。
以上決議する。