医療機関における携帯電話等の使用に関する指針策定 電波環境協議会 厚労省が通知

厚生労働省は、8月19日、各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)長宛てに、医政局総務課長・医薬食品局安全対策課長名の「電波環境協議会による『医療機関における携帯電話等の使用に関する指針』について」と題する通知を発しました。

これは、今般、電波環境協議会により「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針~医療機関でのより安心・安全な無線通信機器の活用のために~」が策定されたことから周知を要請したもので、同指針及び電波環境協議会で取りまとめた「医療機関における携帯電話等の使用に関する報告書」は、電波環境協議会ホームページ(http://www.emcc-info.net/info/info2608.html)から入手可能です。

医療機関における携帯電話等の使用については、これまで、医療機器の電磁的耐性に関する薬事法に基づく規制、平成9年に不要電波問題対策協議会(現・電波環境協議会)から公表された指針及びマナーの問題等を総合的に勘案して、各医療機関において独自にルールが定められてきました。

一方、この間、携帯電話等の日常生活への浸透、第二世代の携帯電話サービスの廃止、医療機器の電磁的耐性に関する性能の向上等、関連する状況が大きく変化してきています。

また、医療機関における携帯電話等の無線通信機器の積極的活用は、医療の高度化・効率化や患者の利便性・生活の質(QOL)の向上に大きな効果が見込まれるため、今後、安全を確保しつつその推進を図ることが、非常に重要です。

同指針は、このような状況に鑑み、医療機関でのより安心・安全な携帯電話等の無線通信機器の活用のために、有識者、医療関係団体、携帯電話各社や関係省庁等による検討を行い作成したものです。今後、各医医療機関において、同指針を参考に、携帯電話等の使用に関する合理的なルールが定められることが期待されます。

なお、同指針の公表に伴い、平成9年に不要電波問題対策協議会から公表した「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」は廃止されます。

指針の記述内容は医療機関を対象にしていますが、背景事実や考え方を共有するため、「患者、面会者、医療従事者、関係業者等にも幅広く認知されることが望ましい」としています。

なお、在宅医療で使用される医用電気機器への電波の影響については、影響発生時の医療従事者の関与の課題や多様な電波環境等を考慮しつつ引き続き検討することが必要である、とされています。

内容は、

「医療機関利用者向けの携帯電話端末使用ルールの設定」については、(1)一般的な注意事項として、①離隔距離の設定、②マナーの観点、③個人情報、医療情報の保護、④EMCに関する体制の充実、(2)エリアごとの使用ルールの設定として、①待合室、ロビー、食堂、廊下、エレベーターホール等、②病室、③診察室、④手術室、集中治療室(ICU等)、検査室、治療室等、⑤携帯電話コーナー、携帯電話専用室等を示し、「医療従事者向けの携帯電話端末使用ルールの設定」「医療機関での携帯電話端末の使用ルールの周知」「携帯電話端末以外の無線通信機器の使用」「医療機関の管理体制の充実」、「医用電気機器メーカーに期待される事項」についてまとめています。

 

http://www.info.pmda.go.jp/mdevices/file/md2014-0819001.pdf