29日に南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験実施 日本医師会とJAXA・NICT

日本医師会は、7月15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び情報通信研究機構(NICT)と共に、超高速インターネット衛星『きずな』を用いた「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)」を7月29日に実施することを発表しました。

超高速インターネット衛星『きずな』は、NICT及びJAXAの共同で開発されたものであり、日本医師会は、JAXAと2013年1月に「超高速インターネット衛星『きずな』を用いた災害医療支援活動における利用実証実験に関する協定」を締結しています。

今回の実証実験は、これら関係機関と大災害時に地域の医療を担う都道府県医師会とが協力して実施するものです。

南海トラフ巨大地震では、津波等による多数の被害とともに、地震、建物倒壊や火災等による負傷者が発生し、かつ非常に多くの被災者が長期の避難生活を強いられることが予想されており、発災直後から復興まで、多様な医療ニーズに応えることのできる医療支援が必要となります。

大規模災害時、日本医師会は災害医療チーム“JMAT”を被災地に派遣しますが、その際には、被災地やJMAT派遣元の都道府県医師会との間で情報共有や協議を行うことが効果的です。ただし、通常の情報通信手段が確保できない事態が当然に想定され、その場合には超高速インターネット衛星『きずな』を用いた支援活動が大変有用になると考えています。また、訓練ではJAXAから衛星画像が提供され災害医療支援活動に活用されます。

日本医師会は、JAXA及びNICTの協力の下、今回の実証実験を通して得られた問題点などを基に、災害時における多元的なインターネット通信手段の確保を図るとともに、インターネットを利用した災害医療支援活動の検討を行っていく方針です。

今回の実証事件は、7月29日13時~16時に日本医師会館で実施、静岡・三重・和歌山・高知及び宮崎各県医師会、日本医師会に『きずな』の送受信アンテナ等を設置。日本医師会TV会議システムによりTV会議を開催します。

参加者は都道府県医師会災害担当理事で、主な内容は、日本医師会・都道府県医師会によるTV会議(JMATの派遣等)、クラウド型災害医療情報システムによる避難所や被災患者等の情報共有、などです。

 

http://www.med.or.jp/