統合失調症治療薬ゼプリオン水懸筋注で厚労省が安全性速報発出を発表

厚生労働省は、4月17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注」に関する安全性速報(ブルーレター)の発出について発表しました。

厚生労働省は、4月17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注」を使用中の患者で、本剤との因果関係は不明であるが、複数の死亡症例が報告されていることを踏まえ、適正な使用を徹底するため、製造販売業者(ヤンセンファーマ株式会社)に対し、添付文書の「使用上の注意」を改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により医療関係者等に対して速やかに注意喚起を行うよう、指示しました。

「ゼプリオン水懸筋注」については、昨年11月19日に販売開始以降、今年4月16日までに21例の死亡症例が報告されていますが、現時点では、本剤と死亡との因果関係は不明です。

厚生労働省では、今年4月4日に、製造販売業者に対し、適正な使用を注意喚起するための医療機関への文書の配布を指示しました。また、同日開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会において、更なる安全対策の必要性について検討した結果を踏まえ、適正な使用を徹底するため、添付文書の改訂と、「安全性速報(ブルーレター)」により、医療関係者等に注意喚起を行うこととしました。

この医療関係者等への注意喚起のポイントは以下の3点です。

1. 急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと。

2. リスペリドン持効性懸濁注射液(販売名:リスパダールコンスタ筋注用)から本剤への切り替えにあたっては、過剰投与にならないよう、用法・用量に注意すること。

3. パリペリドン又は類薬であるリスペリドンでの治験経験がない場合は、まず、一定期間経口剤を投与して症状が安定していることを確認した後、これら経口剤を併用せずに本剤の投与を開始すること。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000043861.html