平成28年度診療報酬改定で諮問 中医協総会

中央社会保険医療協議会の第322回総会が1月13日に開催され、厚生労働大臣より平成28年度診療報酬改定について諮問が行われました。

<診療報酬改定について>

平成28年度の診療報酬改定は、以下のとおりとする。

1. 診療報酬本体 +0.49%

各科改定率 医科 +0.56%

歯科 +0.61%

調剤 +0.17%

2. 薬価等

①    薬価  ▲1.22%

上記のほか、・市場拡大再算定による薬価の見直しにより、▲0.19%

・年間販売額が極めて大きい品目に対応する市場拡大再算定の特例の実施により、▲0.28%

②    材料価格 ▲0.11%

なお、上記のほか、新規収載された後発医薬品の価格の引下げ、長期収載品の特例的引下げの置き換え率の基準の見直し、いわゆる大型門前薬局等に対する評価の適正化、入院医療において食事として提供される経腸栄養用製品に係る入院時食事療養費等の適正化、医薬品の適正使用等の観点等からの1処方当たりの湿布薬の枚数制限、費用対効果の低下した歯科材料の適正化の措置を講ずる。

<平成28年度診療報酬改定の基本方針>

改定に当たっての基本認識として、「地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済成長や財政健全化との調和」を挙げ、改定の基本的視点と具体的方向性を示しています。

(1)    地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

(具体的方向性の例)

ア 医療機能に応じた入院医療の評価

イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保

ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化

エ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

オ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化

(2)    患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

(具体的方向性の例)

ア かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価

イ 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進

ウ 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進

(3)    重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

(具体的方向性の例)

ア 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価

イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価

ウ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価

エ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価

オ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実

カ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進

キ かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化

ク 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価 等

(4)    効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点

(具体的方向性の例)

ア 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討

イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進

ウ 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進

エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し

オ 重症化予防の取組の推進

カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000108957.html