後発医薬品品質情報発行 厚生労働省

厚生労働省医薬食品局審査管理課は、2014年度から、後発医薬品の品質に関する情報発信を強化するため、新たに「後発医薬品品質情報」を発行することとし、4月24日、「後発医薬品品質情報No.1」を発行しました。

厚生労働省では、後発医薬品の品質に対する更なる信頼性の確保のため、平成20年から国立医薬品食品衛生研究所にジェネリック医薬品品質情報検討会を設置し、検討会を行ってきました。検討会の情報は、国立医薬品食品衛生研究所及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載し、公表してきましたが、より積極的な情報発信を行うため、新たに「後発医薬品品質情報」を発刊し、検討会の情報をはじめ、後発医薬品の品質に関する情報を発信することにしました。

本情報は主に医療関係者向けですが、後発医薬品を使用する一般の方々も読むことができます。

N0.1では、①ジェネリック医薬品品質情報検討会、②第11回ジェネリック医薬品品質情報検討会結果概要、③先発医薬品と臨床上の有効性・安全性が『同等』であるジェネリック医薬品の評価~生物学的同等性を考える~、(参考情報)後発医薬品の品質情報等のホームページ、が掲載されています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kouhatsu_iyakuhin/index.html

国民の安全・安心を守るための医療で緊急記者会見 日本医師会

日本医師会は、4月17日、緊急記者会見を開催し、「国民の安全・安心を守るための医療」について発表しました。

発表の内容は次の通りです。

 

国民の幸福の原点は健康であり、病に苦しむ人がいれば、何としても助けたいというのが医療人の願いであり、私たちの願いは、「必要とする医療が過不足なく受けられる社会づくり」に尽きます。

昨日の規制改革会議では「選択療養(仮称)」について議論がなされ、また、その会議では示されておりませんが、「厚労省案を軸に調整が進んでいる」と朝日新聞一面での報道もありました。

新しい医療の提供にあたっては、安全性・有効性を客観的に判断することが必須であり、さらに、将来の保険収載が大前提であります。

また、患者と医師の間には、医療について情報の非対称性が存在します。特に、高度かつ先進的な医療であれば、患者が内容を理解することは非常に難しく、患者の自己責任にゆだねることになります。治療困難な病気と闘っている患者は、藁にもすがる思いで安全性・有効性のない治療法や、エビデンスのない民間療法を選択させられてしまうおそれもあります。患者等の団体からも反対意見があがっており、患者・国民不在の議論となっています。

保険外併用療養は、安全性・有効性が確立され次第、速やかに公的医療保険に組み入れるための過渡的な取扱いとすべきで、保険収載されていないまま留め置くべきではありません。新たな医療が保険収載されなければ、資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなってしまうおそれがあります。

保険外併用療養の運用は進んでおり、現在も十分に機能しています。さまざまな課題については、現行の保険外併用療養、特に評価療養の機動性を高めることで対応すべきと考えています。

医療における規制は、患者・国民の生命と健康を守るためにあり、日本医師会は保険外併用療養の拙速な拡大は、到底容認することはできません。

 

http://www.med.or.jp/

統合失調症治療薬ゼプリオン水懸筋注で厚労省が安全性速報発出を発表

厚生労働省は、4月17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注」に関する安全性速報(ブルーレター)の発出について発表しました。

厚生労働省は、4月17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注」を使用中の患者で、本剤との因果関係は不明であるが、複数の死亡症例が報告されていることを踏まえ、適正な使用を徹底するため、製造販売業者(ヤンセンファーマ株式会社)に対し、添付文書の「使用上の注意」を改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により医療関係者等に対して速やかに注意喚起を行うよう、指示しました。

「ゼプリオン水懸筋注」については、昨年11月19日に販売開始以降、今年4月16日までに21例の死亡症例が報告されていますが、現時点では、本剤と死亡との因果関係は不明です。

厚生労働省では、今年4月4日に、製造販売業者に対し、適正な使用を注意喚起するための医療機関への文書の配布を指示しました。また、同日開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会において、更なる安全対策の必要性について検討した結果を踏まえ、適正な使用を徹底するため、添付文書の改訂と、「安全性速報(ブルーレター)」により、医療関係者等に注意喚起を行うこととしました。

この医療関係者等への注意喚起のポイントは以下の3点です。

1. 急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと。

2. リスペリドン持効性懸濁注射液(販売名:リスパダールコンスタ筋注用)から本剤への切り替えにあたっては、過剰投与にならないよう、用法・用量に注意すること。

3. パリペリドン又は類薬であるリスペリドンでの治験経験がない場合は、まず、一定期間経口剤を投与して症状が安定していることを確認した後、これら経口剤を併用せずに本剤の投与を開始すること。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000043861.html

医療小説大賞決定 日本医師会発表

日本医師会は、4月9日の定例記者会見で、第3回日本医療小説大賞受賞作決定を発表しました。

日本医療小説大賞は、公益社団法人日本医師会主催、後援:厚生労働省、協力:新潮社によるもので、「国民の医療や医療制度に対する興味を喚起する小説を顕彰することで、医療関係者と国民とのより良い信頼関係の構築を図り、日本の医療に対する国民の理解と共感を得ること及び、我が国の活字文化の推進に寄与すること」を目的として創設されました。

毎年1月1日~12月31日までに書籍の形で発行された発行された作品を対象とし、翌年3月に選考会を開催、受賞作には賞状及び副賞100万円が贈られます。

選考会は、3月27日に帝国ホテルで開催され、さだまさし氏の『風に立つライオン』など最終候補作品5作品の中から、受賞作に久坂部羊氏の『悪医』(2013年11月 朝日新聞出版刊)が選ばれました。久坂部羊氏は1955年7月、大阪府生まれ。医師、作家。大阪大学医学部卒。外務省の医務官として9年間海外勤務の後、高齢者が対象の在宅訪問診療に従事しています。その一方で20歳代から同人誌「VIKING」に参加し、2003年「廃用身」で作家としてデビュー。以後、医療の現実を抉り出す衝撃作を次々に発表しています。その他の著書に『破裂』『無痛』『第五番』『医療幻想』『嗤う名医』などがあります。

なお、授賞式は5月27日午後6時より帝国ホテルで行われます。

 

http://www.med.or.jp/

がん研究10か年戦略策定 3大臣が総合的・計画的推進を確認

文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣は、「がん対策推進基本計画」(平成24年6月閣議決定)に基づき、我が国全体で進めるがん研究の今後のあるべき方向性と具体的な研究事項等について、平成26年度からの「がん研究10か年戦略」を定め、がん研究の総合的かつ計画的な推進に全力で取り組んでいくことを確認しました。4月2日に発表しています。

今後、本戦略を踏まえ、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が一体となって、がん研究を推進していきます。

本戦略では、「根治・予防・共生~患者・社会と協働するがん研究~」をキャッチフレーズに、これまで以上に、がんの本態解明研究とこれに基づく革新的な予防、早期発見、診断、治療に係る技術の実用化をめざした臨床研究に取り組みます。また、新たに小児がんや高齢者のがん、難治性がんや希少がん等に関する研究を戦略に位置付けて推進することとした他、充実したサバイバーシップを実現する社会の構築をめざした研究、がん対策の効果的な推進と評価に関する研究等を推進することとしています。

 

我が国のがん研究は、昭和59年度に開始された「対がん10か年総合戦略」、平成6年度に開始された「がん克服新10か年戦略」及びそれに引き続き平成16年度に開始された「第3次対がん10か年総合戦略」を基軸として戦略的に推進されるとともに、難治性がんの克服や患者のQOL向上に資する研究など臨床的に重要性の高い研究や、がん医療の均てん化など政策的に必要性の高い研究に重点的に取り組んできました。その結果、がん患者全体の5年生存率は、平成5年から8年までは53.2%でしたが、平成15年から17年では58.6%と改善傾向にあります。

一方で、人口の高齢化とともに、日本のがんの罹患者の数、死亡者の数が今後も増加することが見込まれる中、依然として多くのがんについてその本態は未だ解明されていない部分も多く、特に難治性がんや小児がんを含めた希少がんについては、創薬や機器開発をはじめとして、有効な診断・治療法を早期に開発し、実用化することが必要です。

このため、我が国においては、これまで以上に、がんの本態解明研究と、これに基づく革新的な予防、早期発見、診断、治療に係る技術の実用化をめざした臨床研究とともに、充実したサバイバーシップを実現する社会の構築をめざした研究、がん対策の効果的な推進と評価に関する研究等を推進することにより、がんによる死亡者を減少させるとともに、がん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上を図り、がんになっても安心して暮らせる社会を構築することが強く求められています。

文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣は、平成26年度からの10か年のがん研究戦略について、「がん対策推進基本計画」(平成24年6月閣議決定)に基づき、「がん研究10か年戦略」を定め、健康・医療戦略推進本部において進めている医療分野の研究開発に関する方針の下、がん研究の総合的かつ計画的な推進に全力で取り組んでいくことを確認しました。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042871.html