27年度予算概算要求に向けて要望 日本医師会

日本医師会は、6月4日の定例記者会見で、「平成27年度予算概算要求へ向けての要望書」を明らかにしました。

要望書は、

 

本年4月より消費増税が、平成26年度診療報酬改定が実施され、国民との約束である社会保障・税一体改革に基づき、医療提供体制の改革が第一歩を踏み出しました。

日本医師会は社会保障・税一体改革において、それぞれの地域で必要とされる医療を適切に提供していく仕組みが重要であり、「国の方針を都道府県の医療政策にいかに落とし込むかではなく、都道府県や市町村等地域の実態に基づいたものとすべき」と主張してまいりました。かかりつけ医を中心として、地域の身近な通院先、急性期から回復期、慢性期、在宅医療と地域包括ケアによる「切れ目のない医療・介護」を提供することにより、国民にとっても医療提供者にとっても、望ましい医療体制の構築が行われるからです。

一方で、持続可能な社会保障制度となるため、「社会から支えられる側」であった高齢者が、「社会を支える側」になれるよう健康寿命の延伸をしていくことが必要であり、生涯保健事業の体系化が重要となってきます。

国民の幸福の原点は健康であり、病に苦しむ人がいれば、何としても助けたいというのが私たち医療人の願いです。日本医師会は、政策の判断基準として「国民の安全な医療に資する政策か」、「公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策か」の二つに重点を置いて改革を進めていますが、改革には原資が必要です。

社会保障を取り巻く諸問題を円滑に解決し、わが国の医学の進歩発展に応じて、必要とする医療が過不足なく受けられるよう平成27年度予算概算要求に対して、日本医師会は「地域包括ケアの推進」と「生涯保健事業の推進による健康寿命の延伸」の2点を中心に要望いたします。

 

としており、要望事項の重点項目は次の通りです。

 

①    地域包括ケアの推進

新たな基金における消費税増税分(医療介護提供体制改革推進交付金)および一般会計分(地域医療対策支援臨時特例交付金)並びに地方財政措置の充実

②    生涯保健事業の推進による健康寿命の延伸

生涯保健事業の体系化に向けた取組の推進

③    東日本大震災への対応と今後の災害対策

被災地の医療の復興のための基金の積み増し

④    医療安全対策の推進と医療事故調査制度の発足に向けた取り組み

医療従事者に対する医療安全、感染防止教育・研修の充実・強化

⑤    死因究明制度の充実

死体検案研修にかかわる研修体制の充実

⑥    生涯教育の充実・推進

卒然診療参加型臨床実習の充実と国民への周知

⑦    感染症対策の推進

定期予防接種のおたふくかぜ、B型肝炎、ロタウイルスワクチンへの拡大

⑧    精神保健対策の充実

自殺総合対策の推進

⑨    薬務対策の推進

一般用医薬品新販売制度の適正な運用の確保

⑩    消費税増税時の対応

消費税率10%引上げへの対策

 

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